あの人と同じ景色をあじわう

同じ景色でも、人に寄って、印象に残る物が違いますよね。例えば、家の周りを一周する。帰ってきてから、見えた物を思い出す。あれも、これも、多くの物を思い出します。

次は、テーマを決めてから、散歩に出ます。例えば「赤」というテーマ。さっきと同じ道なのに、さっきは意識していなかった、「赤いポスト」「赤い花」「赤い車」「赤い洗濯物」……。

意識するテーマを決めることにより、入ってくる情報に変化が現れます。これを心理学では、「カラーバス効果」と言うようです。最近では、ビジネス書でも広く使われていて、僕も心理学より、ビジネス関連で知りました。

普段は無意識で行っていることに、意識を向けるとおもしろいなと思い、早速、自分の体を使って実験しました。確かに、普段と同じ道でも、目に飛び込んでくる情報に、あきらかな違いがありました。この効果は、結果の大小があるにしても、すべての人に通じるようでした。

個人個人に影響があるというとこは、テーマを共有することによって、見える物が近づくのではないでしょうか。

僕は、このテーマに2通りの設定の仕方があると思います。

一つは、「標語型共有」 友だちと一緒に散歩するとき、ただ漫然と歩くより、最初にテーマを共有して出発した方が、同じ方向にアンテナを巡らせることができるということ。会社の目的を共有したり、モットーを掲げたりして、共有するスタイルですかね。

もう一つは、「憑依(ひょうい)型共有」 死んだ霊魂を体に乗り移らせたりするイタコさんからイメージをいただき、憑依(ひょうい)とネーミングしてみました。その人の視点を味わいたいと思う人の気にしていること、心がけていること、などを調べ、それを意識することによって、その人の見える世界を疑似体験していくというもの。

カラーバス効果があるのなら、ある人が無意識で意識していることを、僕が意識したら、少なからず、今の僕の視界に入ってくる物の中でも、「ある人」の意識に残る物を強く感じることができると思います。文章で書くほど、簡単なことではないかも知れませんが、職人の世界とかで、師匠と弟子の発言が似てきたりするのは、この考えの一端を表しているのではないかなと。

起業家、スポーツマン、芸術家、作家。

あこがれる人の書いた書籍を読み、会い、動画を見ることによって、同じ景色を味わうことができるようになれば、日々に深みが出そうですね。