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スローな自転車

緩やかな登り坂になっている大通り。その歩道部分を登っていました。


坂の上の方から、僕に向かって、自転車が下ってきます。


「おばちゃん」という感じの貫禄ある女性。

おっきいカゴが付いていたり、子どもの乗る場所があるママチャリではなく、普通の街乗り自転車。しかしそれは、何故か超スロースピードでした。


遅すぎるせいかフラフラしています。フラフラというより、プルプルといった方が適切なくらい、小刻みに揺れながら、慎重に慎重に進んできます。


決して、歩道部分は狭くなく、十分に横をすれ違える幅があったのですが、あまりにも揺れているので、転んできたら、たまらないなと、脇によけて通り過ぎるのを待っていました。


僕の前をスローモーションで、通り過ぎるチャリ。


気になってジッと見てしまいました。


「逆じゃん!」


僕は思わず心で叫びました。


なぜか、その女性は、横に伸びているハンドルを下から握っていたのです。まるで逆上がりをするときのように。しかも、腕は、ひじまでピンと伸びて、一本の棒みたいになってました。そして、その姿勢で、微妙にバランスを取りながら進んでいるのです。

 

なぜ逆から???


もしかして、この方は小さい頃からこうやって自転車をこいできたのかもしれません。一言、「上からつかんだら、楽に乗れますよ」といってあげれればよかったのですが。


僕の勇気が足りませんでした。